子どもができると、「今の保険のままで大丈夫かな?」と急に不安になりますよね。我が家もそうでした。妊娠をきっかけに保険をすすめられたり、周りが入り始めたと聞いて、なんとなく焦る。でも、よく分からないまま営業に言われるがまま入るのは、なんだかこわい——。
この記事は、そんな共働き夫婦へ向けて、保険にくわしくない人でも分かるように「保険選びの考え方」をやさしく整理します。先に大事な結論を言っておきます。保険は「たくさん入れば安心」ではありません。むしろ、入りすぎるとムダな出費になります。
正しい順番は、「まず日本の公的保障(国の制度)で何がカバーされるかを知る → それでも足りない分だけ、民間の保険で補う」です。この順番さえ分かれば、あおられて入りすぎることはなくなります。
そもそも、共働きに保険って必要?
いきなり不安をあおるつもりはありません。結論から言うと、共働き夫婦は「二人とも収入がある」ぶん、片働き家庭より保険の必要性は低めになりやすいです。片方に何かあっても、もう片方の収入で生活を立て直しやすいからです。
とはいえ「まったくいらない」わけでもありません。大事なのは、必要なところに、必要なだけ。そのために、まず土台となる公的保障を知ることから始めましょう。
意外と手厚い、日本の公的保障(まず土台を知る)

日本は、会社員や公務員なら特に、公的な保障がけっこう手厚い国です。ここを知らずに民間保険を検討すると、「すでに国が守ってくれている部分」にまで保険をかけて、払いすぎてしまいます。
病気やケガの医療費には「上限」がある(高額療養費制度)
高額療養費制度は、1か月にかかった医療費の自己負担が一定額を超えたら、超えた分が戻ってくる制度です。
たとえば、70歳未満で年収が約370万〜約770万円の人なら、医療費が100万円かかるような治療を受けても、自己負担は約9万円前後で済みます。

「大きな病気をしたら医療費で家計が破綻する」というのは、実は日本では起こりにくいんです。
なお、この制度は2026年8月から自己負担の上限が引き上げられ、あわせて年単位の上限(年間上限)も新しく設けられる予定です。金額は年収などで変わるので、実際に必要になったときは、加入している健康保険の窓口や公式サイトで最新を確認してください。
万一のときは「遺族年金」がある
家計を支える人が亡くなったとき、残された家族には遺族年金が支給されます。大きく2つあり、子どもがいる家庭に出る「遺族基礎年金」と、会社員・公務員だった人の遺族に出る「遺族厚生年金」です。
ここで、知っておきたい最新の動きがあります。2028年4月から、遺族厚生年金のしくみが変わる予定です。子どものいない配偶者への遺族厚生年金が、原則「5年間の有期給付」に変わる方向です(これまで受け取りにくかった夫や、収入の高い妻も受け取れるようになる、という改善点もあります)。
ただし、影響を受ける人は限られています。18歳年度末までの子どもがいる家庭や、すでに受給している人などは、これまでと変わりません。とはいえ「遺族年金だけにずっと頼る」前提は、これからは見直したほうがよい、というのは頭に置いておきたいポイントです。
(※制度は今後の運用で細かい部分が固まっていきます。最新は日本年金機構や厚生労働省の公式情報でご確認ください)
じゃあ、何が「足りない分」になる?
公的保障は手厚いですが、それでもカバーしきれない部分があります。民間保険で補うのは、基本的にこの「足りない分」だけでOKです。
・当面の生活費・住居費:親に万一があったとき、遺族年金だけでは足りない生活費や家賃・住宅ローン
・子どもの教育費:これから十数年かけてかかるお金(※学資保険やNISAでの準備は別記事で解説しています)
・自営業・フリーランスの人:会社員より公的保障が手薄(遺族厚生年金がない、傷病手当金がない等)なので、その分は自分で備える必要がある
逆に言うと、ここに当てはまらない部分は、無理に保険で備えなくていいことが多いです。
共働き夫婦が最低限おさえたい保険
たくさんの種類がありますが、子育て世帯がまず考えるといいのは、次のあたりです。
死亡保障(掛け捨ての定期保険・収入保障保険)
親に万一があったとき、残された家族の生活を支えるための保障です。ポイントは「子どもが独立するまでの期間限定でいい」ことが多い点。
貯蓄型の終身保険より、掛け捨ての「定期保険」や「収入保障保険」のほうが、少ない保険料で大きな保障を用意できます。子育て期という、いちばんお金がかかる時期だけ手厚くする、という考え方が合理的です。
医療保険
高額療養費制度がある前提で考えると、医療保険は「入るなら最低限」で十分なことが多いです。ある程度の貯金があって、急な入院費を自分で払えるなら、医療保険はなくてもいい、という考え方もあります。
「絶対に入るべき」でも「絶対に不要」でもなく、貯金の余裕しだい。ここは各家庭で判断が分かれる部分です。
働けなくなったときの備え(就業不能保障)
共働きだと、片方が病気やケガで長く働けなくなると、家計への影響が大きくなります。貯金や公的保障(傷病手当金など)で足りない場合の備えとして、就業不能保険を検討する家庭もあります。必須ではありませんが、頭の片隅に置いておくといい選択肢です。
逆に「入りすぎ注意」なパターン
保険で損をしやすいのは、たいてい次のパターンです。心当たりがあれば、見直しのサインです。
・貯蓄型の保険に高い保険料を払っている(「保険で貯蓄」は効率が悪いことが多い。貯蓄はNISAなどと分けて考えるのがおすすめ)
・よく分からない特約がたくさん付いている
・独身時代に入ったまま、ライフスタイルが変わっても放置している
・すすめられるまま複数の保険に入り、保障が重複している
「安心を買っているつもりが、家計を圧迫している」——これがいちばんもったいないパターンです。
我が家はこう考えた
我が家も、子どもが生まれるのを機に保険を見直しました。いろいろ調べて、まず夫婦の備えとして選んだのは、都民共済の「総合保障2型」です。
決め手は、掛け金が手頃で、保障の内容がシンプルで分かりやすかったこと。この記事で書いてきた「公的保障が土台、民間は足りない分だけ」という考え方からしても、まずは無理のない範囲で最低限を押さえておこう、という結論になりました。あれこれ特約を盛るより、家計に負担がかからない形から始めたかったんです。
一方で、子ども用の保険(学資保険など)は、正直まだ検討中です。教育費をどう準備するかは、保険で貯めるのか、NISAでコツコツいくのか、我が家でもまさに悩んでいるところ。ここは別の記事でじっくり比べてみたので、迷っている方はそちらも読んでみてください。
完璧な正解を最初から出そうとせず、「まず土台を固めて、残りは考えながら決める」——それくらいの気持ちで大丈夫だと思っています。
自分たちだけで迷ったら、プロに相談も
ここまで読んでも、「結局うちはどうすれば?」と迷うこともあると思います。とくに教育費まわりは、学資保険を含めて選択肢が多く、自分たちだけで比べるのは大変です。
そんなときは、無料でまとめて資料を取り寄せて見比べるところから始めるのがおすすめです。いきなり面談や契約をしなくても、手元の資料で比較するだけでも、ぐっと判断しやすくなります。「相談=その場で入らされそう」と身構えなくて大丈夫。まずは情報を集める、くらいの気持ちでOKです。
※もちろん、この記事で読んだ「公的保障が土台、民間は足りない分だけ」という軸を持っておけば、資料を見ても必要な分だけを冷静に選べます。
まとめ:あおられず、必要な分だけ
保険選びで大事なのは、この順番です。
1. まず日本の公的保障(高額療養費・遺族年金など)で、何が守られているかを知る
2. それでも足りない分(当面の生活費・教育費など)を書き出す
3. その足りない分だけを、掛け捨て中心の保険で、必要な期間だけ補う
共働きは、二人で支え合える強みがあります。不安をあおる情報に流されず、我が家に必要な分だけを選べば大丈夫。完璧を目指さず、まずは今の保険を一度見直すところから、一緒に始めましょう。
(※この記事は情報をまとめたもので、特定の商品をすすめるものではありません。保険・お金に関する最終的な判断はご自身で、必要に応じて専門家にご相談ください)
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