育児時短就業給付とは?1時間の時短でも対象?対象・金額をパパが解説【2025年開始】

お金・節約

育休が明けて、いきなりフルタイムに戻すのはなかなかしんどい。かといって時短にすると、そのぶんお給料も減る——。共働きで復帰を控えていると、多くの家庭がぶつかるジレンマだと思います。

我が家もこれから第一子を迎えて、妻の復帰を見据えているところ。調べていて「これは知っておいてよかった」と思ったのが、2025年4月に始まった「育児時短就業給付(育児時短就業給付金)」です。ざっくり言うと、2歳未満の子を育てながら時短で働くと、時短中のお給料の10%が上乗せでもらえる制度。復帰後に手取りが下がる不安を、少し和らげてくれます。

僕自身はたぶん時短はしませんが、妻が復帰後に時短で働くかもしれないので、パパ目線で調べた内容をまとめます。情報は厚生労働省の公式パンフレット(2026年8月時点の最新版)で確認しています。

育児時短就業給付ってどんな制度?

2歳未満の子を育てるために時短勤務(所定労働時間を短くして働くこと)をしたとき、時短中の各月のお給料の10%が支給される、雇用保険の給付です。2025年4月に、男女とも時短を選びやすくする狙いで新しくできました。

大事なのは、育休給付(休んでいる間の給付)とは別物で、これは「復帰して時短で働いている間」の給付だということ。育休が明けたあとの、地味に不安な時期を支えてくれる制度です。

なぜ、時短にすると手取りが下がるのか

時短勤務は、所定労働時間を短くする働き方です。働く時間が減るぶん、基本的にはお給料も減ります。フルタイムのときと同じ生活費がかかるのに収入だけ下がると、家計にはけっこう響きます。

この「復帰後の収入ダウン」を和らげるのが、育児時短就業給付の役目です。減った状態のお給料に対して10%が上乗せされるので、時短で働きながらも、手取りの落ち込みを少しやわらげられます。

対象になるのは?(2つの条件)

対象になるのは、次の2つをどちらも満たす人です。

1つ目は、雇用保険に入っている人(会社員など)で、2歳未満の子を育てるために時短勤務をしていること。2つ目は、育休給付の対象になる育休から続けて時短を始めたか、または時短を始める前の2年間に、被保険者だった月が12か月以上あることです。育休から復帰してそのまま時短、というよくあるパターンなら、たいていの人が当てはまります。

「1時間だけの短縮」でも対象になる?

ここが気になる人は多いと思います(僕もそうでした)。結論から言うと、短縮する時間の下限はありません。厚生労働省のパンフレットにも、短縮後の週の所定労働時間に上限・下限はない、と明記されています。1日1時間の短縮でも、週の所定労働時間が短くなっていれば「育児時短就業」として扱われます。

ただし、実際にお金が出るかどうかは「お給料が下がっているか」で決まります。ここは次の見出しでくわしく説明します。
ただし、制度として対象でも、会社でその働き方を選べるかは別の話です。法律で必ず用意されているのは1日6時間(=2時間短縮)の短時間勤務で、7時間のような1時間刻みが選べるかどうかは、勤務先の就業規則しだい。時短を考えるときは、あわせて会社の制度も確認しておくと安心です。

逆に、短くしすぎると対象外になることも

気をつけたいのは下げすぎのほうです。時短の結果、週の所定労働時間が20時間を下回ると、原則として雇用保険の加入資格そのものを失い、この給付の対象外になります(就業規則などで、小学校入学までに週20時間以上に戻す前提が確認できる場合は例外)。下限はないけれど、下げすぎると別の線に引っかかる、というイメージです。

自営業・フリーランスは対象外

この給付は雇用保険の制度なので、雇用保険に入っていない自営業・フリーランスの人は対象外です。自営業の人向けには、2026年10月から国民年金保険料の育児免除という別の制度が始まります。そちらは別記事にまとめました。

国民年金の育児免除【2026年10月開始】対象は誰?会社員は対象外?
2026年10月から始まる国民年金の育児免除を、日本年金機構の公式情報でまとめました。対象は自営業・フリーランスなど第1号被保険者。ママは最大13か月、パパは最大12か月。会社員が対象外な理由も解説します。

いくらもらえる?(10%が基本、でも調整あり)

支給額は、原則「時短中の各月に支払われた賃金の10%」です。ここは勘違いしやすいのですが、減った分の10%ではなく、時短中にもらった賃金そのものの10%です。

ただし、いつでもきっちり10%というわけではなく、時短前と比べてお給料がどれだけ下がったかで変わります。

お給料が時短前の90%以下まで下がった場合

支給率は満額の10%です。たとえば時短中の月給が20万円なら、その10%の2万円が上乗せでもらえるイメージです。

90%超〜100%未満(少ししか下がっていない)場合

支給率は10%より少なくなり、下がり幅が小さいほど給付も小さくなります。もらいすぎ(賃金と給付の合計が時短前を超えること)を防ぐための調整です。なので「1時間だけ短縮して、お給料がほとんど減っていない」ようなケースだと、給付はごくわずかになり、計算した額が最低限度額(2026年8月時点で2,562円)以下だと支給されないこともあります。

お給料が下がっていない(時短前の100%以上)場合

この場合は、時短の前後で賃金が減っていないとみなされ、支給されません。また、時短中でもお給料自体がかなり高い人(支給限度額以上。2026年8月時点で484,121円)も対象外です。これらの上限額は毎年8月に改定されるので、最新は公式で確認してください。

まとめると、「短縮の時間に下限はないけれど、お給料がしっかり下がっているほど、10%に近い給付が出る」という設計です。

実際いくら変わる?(月収30万円で試算)

数字で見たほうがイメージしやすいので、時短前の額面が月30万円、フルタイムが1日8時間、お給料が時間どおりに減る、という前提でざっくり計算してみます。
1日1時間の短縮(7時間)だと、額面は262,500円。ここに給付が26,250円ついて、合わせて288,750円です。
1日2時間の短縮(6時間)だと、額面は225,000円。給付は22,500円で、合わせて247,500円。
1日3時間の短縮(5時間)だと、額面は187,500円。給付は18,750円で、合わせて206,250円になります。
ここで見てほしいのが、減り方のペースです。フルタイムと比べると、最初の1時間を削ったときの差は1万円ちょっと。ところが2時間目、3時間目は、1時間あたり4万円前後ずつ減っていきます。最初の1時間だけ、目減りがぐっと小さいんです。
理由はシンプルで、この給付は時短をしていないと出ないから。フルタイムのままなら給付はゼロですが、1時間でも短縮すれば賃金の10%が上乗せされます。だから最初の1時間は、減ったお給料の多くを給付が埋めてくれる形になります。

給付金には税金も社会保険料もかからない

もうひとつ大きいのが、この給付は非課税で、社会保険料も引かれないという点です。振り込まれた額がそのまま手取りに乗ります。
さらに、時短でお給料が下がると、社会保険料や税金もそれに応じて減ります。この2つが重なるので、手取りで見ると目減りは額面の差より小さくなります。先ほどの1時間短縮の例だと、手取りベースでの差はおおよそ月5,000円前後のイメージです(住民税は前年の収入で決まるため、時短にしてもすぐには下がりません)。
ここに挙げた金額は、お給料が時間どおりに減ると仮定した目安です。実際は手当の種類や会社の時短の決まりで変わるので、正確な金額は勤務先や給与明細で確認してみてください。

共働きなら、夫婦それぞれが対象になる

この給付は男女どちらも対象です。だから共働きで、夫婦それぞれが時短をすれば、それぞれが受給できます。どちらか片方しかもらえない、というものではありません。

ひとつだけ注意点があって、1人が複数の子について同時に受給することはできません。

「どっちが時短を取るか」は、給付の額だけでなく、キャリアや職場の状況も関わってきます。我が家も、妻の復帰に合わせて働き方を話し合う一つの材料にしています。

いつまで?どうやって申請する?

支給の対象になるのは、子が2歳になるまでの、時短で働いた各月です。回数の制限はなく、いったん時短を終えても、同じ子でまた時短を始めれば、条件を満たすかぎり再び対象になります。

申請は、原則として勤務先(事業主)を通じてハローワークに行います。育休給付と同じような流れで、2か月ごとにまとめて申請するのが基本です(本人が直接申請することも可能)。電子申請にも対応しています。

なので、まずやることは「勤務先に、育児時短就業給付の手続きをしてもらえるか確認すること」。復帰後の働き方(時短にするか、何時間にするか)を相談するタイミングで、あわせて聞いておくとスムーズです。

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育休給付・出生後休業支援給付との違い

名前が似ていて混ざりやすいので、時系列で整理します。

まず、育休で休んでいる間にもらえるのが「育児休業給付」。そのうち、夫婦で育休を取ったときにさらに上乗せされ、手取りが実質10割相当になるのが「出生後休業支援給付」です(パパ育休の話としてよく出てきます)。

そして、復帰して時短で働いている間を支えるのが、今回の「育児時短就業給付」。つまり、休む→(パパ育休で上乗せ)→復帰して時短、という流れの、最後の部分をカバーする給付です。

パパの育休と出生後休業支援給付については、こちらでくわしく解説しています。

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我が家はこう考えた

正直に書くと、この制度はまだ使っていません。僕自身は復帰後にフルタイムに戻すつもりで、時短を取るのはたぶん妻のほう。調べていて初めて、こういう給付があると知りました。

いちばん刺さったのは、「復帰後に手取りが下がる」不安に手当てがある、という点でした。育休が明けたあと、いきなりフルタイムは体力的にも生活リズム的にも大変そうだし、かといって時短にすると収入は減る。そのモヤモヤに、10%という形で支えがあるのは素直にありがたいと思いました。

我が家は、妻の復帰に合わせてどんな働き方にするかを、これから夫婦で相談していくところです。時短にするなら、この給付も込みで家計の見通しを立てられる。制度を知っているかどうかで、選べる幅が変わるんだなと改めて感じました。実際に使うことになったら、また申請の様子をこの記事に追記します。

まとめ

育児時短就業給付は、2歳未満の子を育てながら時短で働く人に、時短中の賃金の10%を上乗せする制度です(2025年4月開始)。ポイントをおさらいします。

対象は、雇用保険に入っていて、2歳未満の子のために時短勤務している人。短縮する時間に下限はなく、1時間の短縮でも対象になりますが、実際の給付額はお給料の下がり幅で変わります。男女とも対象で、共働きなら夫婦それぞれが受給できます。申請は勤務先を通じてハローワークへ。

まずは、復帰後の働き方を考えるタイミングで、勤務先に手続きを確認するのが第一歩です。

出産・育児でもらえるお金の全体像は、こちらにまとめています。

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