4か月の育休を取ろうと会社に相談を始めたとき、ふと気になったことがあります。「育休中って、給料は出ないのに社会保険料は引かれるのかな?」ということ。毎月それなりの額が引かれているので、収入が減る期間にこれも払うのはきついな、と。
調べてみたら、産休・育休の期間は社会保険料が免除されると分かって、ほっとしました。しかも、将来の年金が減るわけでもない。ただし、特に賞与(ボーナス)まわりには、取り方しだいで免除されたりされなかったりする落とし穴があることも分かりました。
この記事では、会社員の産休・育休中の社会保険料免除について、自分が育休を控えて調べたことを、日本年金機構の情報をもとにまとめます。
なお、これは会社員・公務員(厚生年金の加入者)の話です。自営業・フリーランスの方は別のしくみになります。
そもそも社会保険料って、育休中どうなるの?
会社員が毎月の給料から引かれている社会保険料は、主に健康保険料と厚生年金保険料の2つです。ふだんは会社と本人が半分ずつ負担しています。
産休・育休の期間は、この健康保険料と厚生年金保険料が全額免除されます。本人が負担する分だけでなく、会社が負担する分も免除されます。休んでいる間、給料からこれらが引かれることはありません。
免除といっても、手続きは会社が年金事務所に届け出る形なので、自分で役所に行く必要はありません。ここは自営業の制度と違って、会社員がラクなところです。
ちなみに、自営業・フリーランスの方が入る国民年金にも、2026年10月から育児期間の保険料免除が始まります。そちらは国民年金の育児免除(2026年10月開始)の記事でまとめています。

いちばん安心なところ。将来の年金は減りません
「保険料を払わない期間があると、将来もらえる年金が減るのでは?」と心配になりますよね。私も最初そう思いました。
でも、産休・育休中の免除は、保険料を納めたものとして扱われます。だから、免除された期間があっても、将来の厚生年金の額は減りません。ここは制度としてしっかり配慮されています。
ただし、注意が1つ。免除されるのは社会保険料(健康保険・厚生年金)だけで、所得税や住民税は別の話です。特に住民税は前の年の収入をもとに計算されるので、育休中でも請求が来ます。ここは頭に入れておくと、あとで慌てません。
産休の免除。日数の条件はありません
まず産休(産前産後休業)から。出産する本人が対象で、この期間の社会保険料は免除されます。産休には「何日以上」といった日数の条件はなく、産休を取っていれば免除されます。
手続きは会社が「産前産後休業取得者申出書」を年金事務所に提出します。出産予定日と実際の出産日がずれることがあるので、出産後に提出するほうが手続きがシンプルになります。
育休の免除。ここは条件が2パターンあります
育休(育児休業)の給与にかかる社会保険料の免除は、次のどちらかを満たすと受けられます。
パターン1:月末に育休を取っている
その月の末日に育休中であれば、その月の社会保険料が免除されます。日数は関係ありません。月末をまたいで休んでいれば対象、というシンプルな条件です。
パターン2:同じ月に14日以上育休を取っている
月末に育休を取っていなくても、育休を始めた月に14日以上育休を取れば、その月が免除されます。この14日は連続でなくてもよく、同じ月の中で合計14日以上あればOK。土日祝などの会社の休日も日数に含めて数えます。
このパターン2は、2022年10月の改正でできたものです。それまでは月末に休んでいないと免除されず、月の途中だけ短く育休を取る人(特に短期のパパ育休)が対象外でした。今は短期でも14日以上あれば拾われるようになっています。

要注意。ボーナスの免除は条件がきびしい
ここが、調べていていちばん「知らないと損するな」と思ったところです。
育休中にボーナス(賞与)が支給された場合、その社会保険料の免除には、給与とは別の、もっときびしい条件があります。
具体的には、ボーナスが支給された月の末日を含んで、連続して1か月を超える育休を取っていることが必要です。これは2022年10月以降に始まった育休についてのルールです。
ここで問題になるのが、短期のパパ育休です。産後パパ育休は最大28日なので、それだけでは「1か月超」の条件を満たせません。ボーナスの月に短く育休を取っても、給与は14日ルールで免除されるのに、ボーナス分は免除されない、ということが起こります。
もしボーナス月に育休を取る予定があって、ボーナス分の免除も受けたいなら、1か月を超える育休の取り方になっているか、会社と確認しておくと安心です。

手続きは会社がやってくれる。でも「言う」のは自分から
社会保険料免除の手続きは、すべて会社(事業主)が年金事務所に届け出ます。自分で書類を書いて役所に持っていく、という作業はありません。
ただし、会社が手続きをするには、まず自分が育休を取ると会社に伝えることが出発点です。当たり前のようですが、ここが動かないと免除も始まりません。育休の相談をするときに、社会保険料の免除手続きもあわせてお願いする、という意識でいるとスムーズです。
育休そのものの給付(休んでいる間のお金)については、出生後休業支援給付でパパの育休が実質10割にの記事でまとめています。保険料の免除とあわせて知っておくと、育休中の家計の見通しが立てやすくなります。

我が家の場合。4か月育休なら給与は安心、ボーナスは要確認
自分の話をすると、産後に4か月の育休を取る予定で、もう会社に相談を始めています。
4か月なら、当然どこかで月末をまたぐので、その間の毎月の社会保険料は免除されます。ここは調べていて安心しました。給料が出ない期間に保険料まで引かれたら、正直きついので。
一方で、ボーナスについては「あ、これは取り方しだいだな」と気づきました。うちの会社のボーナス支給月に育休がかかるなら、その月末を含めて1か月を超える形になっているかで、ボーナス分が免除されるかどうかが変わる。4か月も取るなら基本は満たせそうですが、育休の開始と終了のタイミングによっては際どくなることもあるので、そこは会社と具体的な日付で確認しようと思っています。
制度を「なんとなく免除されるらしい」で終わらせず、自分のケースに当てはめて日付で考えると、こういう確認ポイントが見えてきます。育休を控えている人は、一度、自分の育休期間とボーナス月をカレンダーで照らし合わせてみるのをおすすめします。
まとめ
会社員の産休・育休中は、健康保険料と厚生年金保険料が、本人負担分も会社負担分も全額免除されます。免除された期間も保険料を納めたものとして扱われるので、将来の年金は減りません。
給与の免除は「月末に育休を取っている」か「同じ月に14日以上育休を取っている」かのどちらか。ボーナスの免除だけは条件がきびしく、支給月の末日を含む連続1か月超の育休が必要です。短期のパパ育休ではボーナス分が免除されないことがあるので、ボーナス月に育休を取るなら要確認です。
手続きは会社がやってくれますが、育休を取ると自分から伝えることがスタートになります。所得税・住民税は免除の対象外なので、そこだけは別に見ておきましょう。


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